臨床心理士が考えるエクステリア~自然と幸福の関係②~

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こんにちは。

公認心理師、臨床心理士の飯田です。

あっという間に秋になってしまいましたが、みなさんの心の調子はいかがでしょうか。
前回までに「自然」と私たちの心や体は、

・幸福感の増加
・ストレス低減
・身体的健康の増進

などなど様々なポジティブな関連があることについてお話しました

「自然」の持つ力は本当にすごいなあと思うところなのですが、
さらに、この良い影響は子供に対しても、多くの報告がなされています。

例えば、

・情緒や感性が豊かになる
・不安感やストレスの低減
・身体発達の促進(肥満や近視などの減少も!)
・精神発達の促進
・現実的な経験を積むことができる

など、子供にとっても「自然」の影響力は計り知れません。

 

一方で、子供たちの周りには、ゲームやテレビ、スマホなど便利で魅力的なものがたくさんあふれていて、なかなか「自然」と関わる機会が減っていることも現実です。

そんな中で、今回は「子供の学力」という視点から「自然」との関連について調査を行ったユニークな研究を取り上げてみようと思います。

〇「自然」×「子供の学力」

2016年にアメリカのイリノイ大学で、高校生を対象に、緑の景観と学力の関係についての研究が行われました。1)

その結果、以下のことが報告されました。

・窓のない教室にいる高校生は、テストの得点が低下する傾向がある
・緑の景色が見える窓がある教室にいる高校生は、テストでより良いパフォーマンスを発揮する

つまり、
 
【緑が見える場所で勉強すると、学力がUPにつながる】

ということが考えられます!

このことについて、研究者らは、緑が見えることでストレスの低下や、集中力の回復などにつながり、その結果、テストのパフォーマンスが向上するのではないか、と述べています。

 
〇学習環境の近くに「緑」を
 
もしお子さんの勉強がなかなかスムーズにいかないなあと思ったとき、
・学習机は窓のある部屋に
・窓から見える庭やベランダに木や花など緑を置く
 
 
など、お子さんの学習環境に緑の景観を加えてみることも一つの手かもしれません。

「いますぐゲームを辞めて森で自然を感じよう!」と誘っても子供はなかなか乗ってきてくれないかもしれませんが、生活の中にちょっとだけ「自然」が見える工夫をするだけで子供のストレスが低減され、さらには成長を促す一歩になるかもしれません。

ぜひ、みなさんも試してみてくださいね。

 
(1)Impact of views to school landscapes on recovery from stress and

mental fatigue,Landscape and Urban Planning. Dongying Li,William

C.Sullivan1

Volume 148, April 2016, Pages 149-15

公認心理師・臨床心理士 飯田杏奈

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