ウッドデッキの歴史(前編)
1980年代に普及
ウッドデッキが日本で普及し始めたのは1980年代の頃です。最初は店舗などで用いられ、徐々に住宅へも波及していきました。西洋建築の産物であるウッドデッキが、日本で受け入れられたのは、日本建築が縁側という文化を持っていたからでしょう。ウッドデッキと縁側は、内でもなく外でもない、その両方という半外空間に当たります。どちらもコミュニケーションの場として利用されていた点も同じです。ウッドデッキの他にも、バルコニーやベランダ、テラスなども現在一般化しているのは、縁側文化が日本に根付いていたからだと考えられます。
縁側とウッドデッキ
一方で、高度成長期を経験した当時の日本は都市部への人口流入が進み、「狭い土地に縁側は不要だ」という考え方から、縁側のない住まいが建てられるケースも多々ありました。縁側と共に半外空間という日本建築の良さの一つが薄れていく中で、登場したのが西洋のウッドデッキであったとも言えます。やがて、輸入住宅や西洋風住宅、シンプルモダンな住宅への人気が高まると、ウッドデッキの需要も高まりました。日本の西洋化が進んでいく中で、縁側の代わりにウッドデッキが住まいの半外空間として活躍する機会が増えるようになったのです。
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