ウッドデッキの歴史(後編)
黎明期の苦労
1980年代以降、ウッドデッキの普及が始まりましたが、当初は問題も多かったようです。なぜなら、日本は雨が多く高温多湿です。また、夏は紫外線が強くて暑く、冬は寒いという、温度変化の差が激しい気候条件です。そのため、西洋諸国で通用していた樹種の天然木でも、日本では腐敗や変形、割れなどが短期間で発生する事案が見られました。また、施工やメンテナンスに対する知識や技術が、現在と比べて低かった点も関係していたことでしょう。例えば、用途を満たしていない安価な塗料を木材に塗布することで、木の呼吸を止めてしまい、木材の寿命を縮めるケースもあったといいます。
需要の高まりと活躍シーンの広がり
日本のウッドデッキ黎明期における関係者の苦労により、日本に適した樹種が選別され、DIYやガーデニングブームなども追い風となり、ウッドデッキは住宅分野に定着することとなります。ウッドデッキの需要が安定すると、メンテナンスの容易さやコスト削減などを理由に、「腐らない」人工木材にも注目が集まるようになりました。現在では生活や住まいの多様化により、庭だけではなくベランダや屋上など、活躍シーンを広げており、多くの人が自身や家族の生活スタイルに合わせたウッドデッキを楽しむようになっています。
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