天然木材の塗料の注意点(前編)
植物油を要因とする自然発火
天然木材を長く使用するためには、各部位に合わせた適切な塗料を塗る必要があります。ウッドデッキ作りや修繕の際に、専門業者に頼まずご自身で作業を行う方も、多いと思われますが、塗料を塗る時に使用した布やウエス、タオルなどの処分には気を付けてください。これらから自然発火が発生し、火災の原因となったケースが報告されています。
独立行政法人「国民生活センター」には、「木材塗料の使用後の自然発火に注意!」と記した注意喚起のページがあります。下記は同ページからの引用です(http://www.kokusen.go.jp/news/toryou.html)。
「自宅のウッドデッキの塗装を行った後、塗料が染み込んだ使用済みのタオル4~5枚を空のポリバケツに入れて車庫に置き、シャッターを閉めた。約6時間後、焦げる臭いに気付き、車庫を見ると発煙しており、車庫内の一部が焼損した」
木材塗料の自然発火で注意したいのは、成分に含まれる「亜麻仁油」などの植物油です。空気中の酸素を取り込み乾燥するのですが、その過程でわずかですが酸化熱を発生させます。この熱エネルギーは温度が上昇すればするほど増幅し、密度が高ければ高いほど熱の逃げ場がなく自然発火に至ることがあります。特に、気温の高い夏場は注意が必要です。
→後篇に続く
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