カーポートデッキ(屋上デッキ付きカーポート)の費用相場は?メリット・デメリットも
住宅の購入当初は不要だと判断したものの、ライフスタイルの変化によって、カーポートやバルコニーの増設が必要だと感じている方もいるでしょう。それぞれ独立して設置することは可能ですが、両方の特性を持つカーポートデッキもおすすめです。ただし、カーポートデッキを設置する際は費用相場のほかに、建ぺい率など複数の注意点を把握しておかなければなりません。
今回は、リフォームでカーポートデッキの後付け工事を検討している方に向けて、費用相場や施工期間の目安、設置時の注意点について解説します。
目次
1.カーポートデッキの概要
カーポートデッキとは、屋根部分にウッドデッキを取り付けたタイプのカーポートです。新築時はもちろん、既存の戸建て住宅へのリフォームで後付けすることもできます。
ウッドデッキ部分はバルコニーとして使用できることから、カーポートデッキは「ガレージデッキ」「カーポートバルコニー」とも呼ばれます。通常の駐車場を設置すると庭用のスペースを犠牲にしてしまう場合など、限られた土地や空間を有効活用したい方におすすめです。
1-1.カーポートデッキの2つの種類
カーポートデッキは「壁付型」と「独立型」の2種類が存在します。それぞれの特徴は次のとおりです。
- 壁付型カーポートデッキ
壁付型は、建物の外壁と接続しているタイプで、住宅の2階に取り付けた窓などから出入りすることになります。そのため、一般的なバルコニーと同様に洗濯物を干したり、屋外リビングとして活用したりしたい場合に便利です。 - 独立型カーポートデッキ
独立型は、住宅の外壁と接続していない、上り下り用の階段が設置されているタイプです。独立型カーポートデッキの設置を検討する場合は本体のサイズに加え、階段用のスペースも視野に入れて土地の広さを確認する必要があります。
2.カーポートデッキのメリット
カーポートデッキは、駐車スペースの上を活用することで、さまざまなシーンで活躍します。
ここでは、カーポートデッキならではのメリットを見ていきましょう。
2-1. コンパクトな土地でも空間を有効に活用できる
都市部や狭小地では、駐車スペースを確保すると庭やテラスの面積が限られてしまいます。しかし、カーポートデッキなら、車の上を利用してもうひとつの屋外スペースを設けられるので、敷地を最大限に活かせます。
たとえば、洗濯物を干すスペースとして使ったり、家族でくつろげるアウトドアリビングにしたりと、用途に合わせた使い方ができるのです。駐車機能と居住スペース機能をまとめることで、狭さを感じにくい住まいづくりにつながっていきます。
2-2. 周囲の視線を気にせず過ごせる
カーポートデッキは、一般的な庭よりも高さがあるため、道路からの視線や隣家との目線が合いにくい状態をつくれます。それにより外から見えにくい、落ち着いて過ごせる屋外空間になるでしょう。
洗濯物や小さなお子さまの遊び場にしても安心感があり、プライバシーを守りやすい点は、住宅が密集したエリアや通行人が多いエリアで特に役立ちます。家にいながら程よい開放感を楽しめる点が、カーポートデッキならではの魅力といえます。
3.カーポートデッキのデメリット
カーポートデッキには多くの魅力がありますが、設置環境によっては注意したい面もあります。
ここでは、導入を検討する際に理解しておきたいデメリットを見ていきましょう。
3-1. 通気性・採光性に影響することがある
カーポートデッキを既存スペースに増設すると、屋根部分が影をつくることで通気性や採光性が下がる場合があります。とくに大きな開口部(掃き出し窓など)が近くにある住宅では、光が入りにくくなったり風の流れが妨げられたりして、室内が湿気やすくなるケースが少なくありません。
設置前に日照や風の流れを確認し、必要に応じて高さや位置、開口の設計など工夫して検討しましょう。
3-2. 通常よりも設置費用が高額になりやすい
カーポートデッキは、駐車スペースとバルコニー機能を兼ね備えるため、構造強度の確保が必要です。とくに後付けの場合、柱の補強や出入口の設置など追加工事が発生しやすく、一般的なカーポートより費用が高くなる傾向があります。
見積りの際は、施工内容や使用材料を確認し、複数社で比較して予算とのバランスを検討しましょう。
4.カーポートデッキを設置する際の費用相場
カーポートデッキは、車を雨や日差しから守るための十分なサイズと、2階部分に人が乗っても問題ない程度の安全性を確保する必要があり、高額となりやすい施工です。
また、以下の要素でも、カーポートデッキを設置する際の費用相場の金額は大きく変わります。
- 保管する車の台数
車1台を保管するのか2台分のスペースを要するのかで、場合によっては100万円近く変動します。相場としては、車1台分で約120万~180万円、2台分で約200万~250万円です。 - 壁付型・独立型の違い
壁付型と独立型で大きく差が出やすい部分は、カーポートデッキ本体以外の施工にかかる費用です。住宅の外壁や窓に出入口を増設する必要があることから、壁付型のほうが高額となる傾向にあります。 - 土台・ウッドデッキなどに使用する素材
土台となる本体部分やウッドデッキ、手すり、階段に使用する素材も金額を左右するポイントです。費用を少しでも抑えたい場合は、設置するカーポートデッキのサイズやタイプ、素材も慎重に検討しましょう。
4-1.カーポートデッキ施工の費用・期間例
カーポートデッキを施工した場合の参考例として、3つのケースに分けて想定の費用・施工期間を紹介します。
【参考例1:天然木のウッドデッキと照明を設置した場合】
| 費用相場 | 約120万円 |
|---|---|
| 施工期間 | 約1か月 |
ウッドデッキ部分を天然木で仕上げ、1階部分のカーポートに照明を取り付けた場合の参考金額です。耐久性のある人工材も組み合わせることで、安価かつ丈夫なカーポートデッキが完成します。
【参考例2:アルミの骨組みに人工材を組み合わせた場合】
| 費用相場 | 約250万円 |
|---|---|
| 施工期間 | 約2週間 |
耐久性重視で、アルミの骨組みを取り入れた場合の参考例です。丈夫さを確保しつつ木のぬくもりを感じられるよう、ウッドデッキ部分に人工材を組み合わせると、住宅の外観になじみやすい仕上がりとなります。
【参考例3:既存のスカイデッキと交換した場合】
| 費用相場 | 約210万円 |
|---|---|
| 施工期間 | 約10日 |
住宅の2階部分と接続していた古いスカイデッキを撤去し、柱部分もすべて木製のカーポートデッキを新たに設置した場合の参考例です。
上記は、あくまで本体価格や工事費を含めた参考例であり、必ずその値段になるとは限りません。施工を依頼する業者や素材の違いなど、さまざまな要素で費用相場は前後するため、設置するカーポートデッキによっては大幅に金額が変わることもあります。
5.カーポートデッキを設置したら固定資産税は増える?
一般的に、以下の条件に該当すると「建築物」と判断され、課税の対象となる可能性があります。
- 基礎が地面にしっかり固定されていること
- 壁や屋根など、ある程度の遮蔽性があること
- 3年以上の利用を想定していること
※参考:総務省|固定資産税
通常のカーポートは柱と屋根だけで構成されるため非課税になるケースが多いです。しかし、カーポートデッキはデッキとして使用できるスペースが確保されており、構造も頑丈なつくりになっています。そのため、自治体によっては「建物」と判断されることがあり、固定資産税の対象になりうる点に注意が必要です。
実際には、市区町村ごとに判断が異なるため、設置前に役所や施工会社に確認しておくと安心です。予算や維持費の見通しを立てるうえでも、税金の取り扱いは早めにチェックしておきましょう。
6.カーポートデッキの活用方法
カーポートデッキは、通常のカーポートやガレージとは異なる使い方ができることメリットです。具体的な活用方法として、以下の例が挙げられます。
【活用方法1:子ども・ペットの安全な遊び場として使う】
庭先で子どもを遊ばせていると、目を離した一瞬の隙に事故や犯罪に巻き込まれる可能性があります。ペットのしつけを徹底していても、突然の騒音などに驚いて道路へ飛び出すリスクはゼロではありません。カーポートデッキを遊び場にすると、子どもやペットが事故や犯罪に遭う心配が減ります。2階にリビングのある住宅では、壁付型を選ぶと生活動線に支障がなく、家事をしながら子どもやペットを見守ることができます。
【活用方法2:屋外リビングとして活用する】
車1台分でも十分な広さのあるカーポートデッキは、屋外リビングとしての活用もおすすめです。住宅の前の道を歩く人の目線よりもカーポートデッキが高い位置にあるため、周囲を気にせず日光浴やリラックスタイムを楽しめます。リビング内ににおいが充満したり、車が水で濡れたりすることを防げるため、夏場はバーベキューセットやビニールプールを設置することもできます。
【活用方法3:庭として家庭菜園や洗濯物干しもできる】
カーポートデッキを設置することによって庭のスペースが犠牲となってしまう場合、屋根のウッドデッキを庭代わりに活用する方法もあります。家庭菜園やガーデニングを楽しんだり、洗濯物を干したりと、目的に合わせて自由なレイアウトができます。
7.カーポートデッキ設置時の注意点とは
カーポートデッキを設置する際は、さまざまな点に注意しなければなりません。安易に設置すると、余計な費用や手間が発生するだけでなく、重大な事故につながる恐れもあります。
設置後に問題が起きないよう、ここから紹介する3つの注意点を把握しておきましょう。
7-1.建ぺい率を確認する
カーポートデッキを設置するうえで意識すべき数字のひとつが、建ぺい率です。建ぺい率とは、敷地面積のうち建物が占める割合で、土地や住宅の購入時に「%」で表示されています。
カーポートデッキも建築基準法において建築物に該当することから、建ぺい率に含まれるため、リフォームで後付けする場合は注意が必要です。判断に迷うときは、施工を依頼する業者に確認してもらうことをおすすめします。
7-2.設置場所をよく検討する
リフォームでカーポートデッキを後付けする場合は、設置場所を慎重に検討しなければなりません。設置場所によっては駐車が困難となるうえ、外構工事などの追加作業を要する可能性も考えられます。外構などの追加工事が生じる場合は、施工費用や施工期間にも影響するでしょう。
カーポートデッキは、一般的なカーポートよりも丈夫さが求められるため、サイズが一回り大きくなります。カーポートデッキの設置スペースや設置場所を確認するときは、通常のカーポートサイズで検討しないよう注意してください。
7-3.安全性や防犯性を重視する
カーポートデッキの上部は、安全性や防犯性を重視したデザイン・素材を選びましょう。仕様を決定するうえで注意すべき点は、以下のとおりです。
- 雨風に強い素材を使用しているか
- 子どもが落下しない設計で作られているか
- 住宅の2階への侵入経路となっていないか
日差しや雨風にさらされるウッドデッキ部分は、防水性に優れ、腐食に強い素材を選びましょう。家族構成によっては子どもが柵を乗り越えて落下する事故を防ぐために、落下防止柵やフェンスの耐久性と高さも重要です。
見通しの悪いフェンスは目隠し効果がありますが、空き巣など犯罪者の侵入経路となる恐れもあります。見通しの良いフェンスを取り入れるなど、防犯対策も考慮しましょう。
まとめ
カーポートデッキは、屋根部分にウッドデッキが設置されており、バルコニーや屋外リビングとして活用できるカーポートです。カーポートデッキを設置する際は、建ぺい率や素材の耐久性、費用相場を理解したうえで慎重に検討しましょう。
カーポートデッキのウッドデッキ部分に関して、木目調のナチュラル感と耐久性の両立を重視する方には、MINO株式会社の「彩木ウッドデッキ」がおすすめです。耐久性はもちろん、外観の美しさも維持する優れた耐候性が魅力の「彩木ウッドデッキ」は、天然木の手触りや風合いも再現しています。メンテナンスも手軽に行えるため、ウッドデッキ部分の素材としてぜひご検討ください。
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