彩木と3万歩の歩行試験(その3)
塗膜厚の摩耗について
今回は、3万歩の歩行試験における「塗膜厚」の変化について解説していきます。この検証では、A~Jまでの10か所をデジタルマイクロスコープで観察し、塗装の厚さ部分をカメラの倍率約200倍で撮影。0.01mmまで読み取れるデジタルノギスを用いて、写真上のトップコートの厚みを測定しました。塗膜の減少は平均で2.9μm(1μm=0.001mm)、減少率を見ると14.6%となりました。
15年以上の歩行耐性
複数用意していた塗膜の試験体を個別に見ると、塗膜の減少率には、10%~20%付近と数値に違いが現れました。これは、彩木ウッドデッキ表面の凹凸の意匠に関係があると推察されます。靴底の当たりやすい凸部分では塗膜厚の減少が大きく、凹部分では少ないと考えられます。
3万歩の試験で約15%減ったので、6万歩では約30%の減少となると予想できます。6万歩は約15年相当です。仮に30%減っても、10μm以上の塗膜厚の残存が期待できます。もちろん、凸部分では局部的に着色層まで摩耗の発生が予想されます。しかし、補修塗装による対応が可能であり、1日10歩、ゴム底靴による一般家庭内の軽歩行では、歩行による摩耗は、15年以上の耐久性が期待できる結果を得たと言えます。
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