【ベランダ防水工事の基礎知識】工事の種類3つと長持ちのコツも解説
風雨や紫外線のなかに晒され続けるベランダは、定期的な補修工事が必要です。
基本的に傷みやすい環境にあるため、頑丈な素材で作られているケースが多いものの、時間経過とともに劣化が進んでしまうことは避けられません。
そこで今回は、ベランダの防水工事を行う前に知っておくべき基礎知識と、代表的な防水工事3種類の特徴・費用相場・メリット・デメリットについて解説します。
ベランダの防水を長持ちさせるコツについても紹介するため、ベランダの防水工事を考えている人はぜひ参考にしてください。
1.ベランダ防水工事を行う前に知っておくべき基礎知識
雨漏り発生や建物内部への水分浸透を防ぐためにも、ベランダやバルコニーの床面には防水加工が施されるケースがほとんどです。
ベランダやバルコニーの防水加工は、下地の上に「素地調整」「防水層」「トップコート」を重ね塗りすることで形成されます。
ひと口にベランダ防水工事といっても、劣化の進む場所がトップコートだけなのか防水層から張り直す必要があるかによって、必要な補修工事の内容が異なります。
目視だけでは劣化具合が判断できない場合は、ここから紹介するトップコートと防水層の耐用年数を目安に、ベランダの傷み具合をチェックしましょう。
1-1.トップコートの耐用年数|5年
トップコートの耐用年数は、約5年です。
トップコートだけが剥がれている・軽いひび割れが生じている程度の劣化症状であれば、トップコートを塗装し直すだけで済みます。
トップコートの傷みを放置すると防水層に劣化が広がるおそれがあるため、気付いた際はすぐに対処しましょう。
トップコートだけであれば、専門業者に依頼せずに自分で塗り替えることも可能です。
塗料にもいくつか種類がありますが、必ず「ベランダ用」を選びましょう。
補修工事の目安は、5年ごとです。見た目に異常がなくとも10年以上経過している場合は、早期の塗り替えをおすすめします。
1-2.防水層の耐用年数|10~15年
防水層の耐用年数は約10~15年です。
防水層の素材や建物の立地などで、劣化具合には多少の差が生じます。
また、こまめにトップコートの塗り替えを行っていても、内部にある防水層の経年劣化は防ぎきることができません。
見てわかるほどに大きなひび割れがあったり、ベランダに接する壁や天井に雨漏りがあったりする場合は、早急な補修が必要です。
大規模な改修工事を避けるためにも、基本的には10~15年に一度のサイクルで防水層のメンテナンスを行いましょう。
2.ベランダ防水工事の3つの種類|特徴・費用・メリットデメリットも
ベランダの防水工事には、主に「RP防水」「ウレタン防水」「シート防水」の3種類があります。
各工事の特徴などを把握することで、自宅のベランダに適切な防水工事を選ぶことが可能です。
ここからは、3種類のベランダ防水工事それぞれの特徴・費用相場・メリットデメリットについて解説します。
2-1.FRP防水
FRP防水は、新築時のベランダに多く利用される防水工事です。
液体状の防水材と、ガラス繊維などの補強材が含まれている強化シートを組み合わせて施工します。
耐用年数 | 単価(m²単位) | 工期 |
---|---|---|
10~12年 | 4,000~8,000円 | 1~3日 |
【FRP防水のメリット】
- 強度があるため、上に物を置いても変形しにくい
- 継ぎ目がなく防水性の高い塗膜防水が可能なため、腐食しにくい
- 複雑な形状のベランダにも対応できる
- 乾きやすいため、工期が短くて済む
- 素材が軽量なため、建物へ大きな負担がかからない
- 厚みなどの塗装ムラができない
【FRP防水のデメリット】
- 下地に鉄が使用されている場所には施工できない
- 紫外線への耐性が低いため、こまめなメンテナンスが必要
- 塗膜が硬く伸縮性が低いため、ひび割れが起きやすい
- 他の防水素材よりも工事費用がかかりやすい
FRP防水は、広範囲に施工するとひび割れが起きやすいため、比較的小さめのベランダに向いた防水工事です。
2-2.ウレタン防水
ウレタン防水は、メンテナンスで多く利用される防水工事です。
ウレタン防水には「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類があります。
「密着工法」は下地に張った補強布に直接防水材を塗る方法で、「通気緩衝工法」は下地に張った通気緩衝シートに防水材を塗る方法です。
密着工法 | 通気緩衝工法 | |
---|---|---|
耐用年数 | 7~10年 | 10~15年 |
単価(m²単位) | 4,000~6,000円 | 5,000~7,000円 |
工期 | 3~7日 | 3~7日 |
【ウレタン防水のメリット】
- あらゆる下地に対応できる
- 複雑な形状のベランダにも対応できる
- 比較的安価に施工できる
【ウレタン防水のデメリット】
- 施工会社の熟練度によって品質が異なる
- 経年劣化によって亀裂が入る
基本的なメリット・デメリットは、「密着工法」「通気緩衝工法」で共通しています。
主に「密着工法」はベランダなどの狭い場所に向いており、「通気緩衝工法」は屋上などの広い場所に向いた工法です。
ただし、「密着工法」は下地を完全に乾燥させる必要があるため、工事部位が雨漏りしている場合には「通気緩衝工法」しか施工できません。
2-3.シート防水
シート防水は、主に屋上などの広い場所で施工される防水工事です。
「塩ビシート防水」と「ゴムシート防水」の2種類があり、一般的には「塩ビシート防水」が利用されています。
耐用年数 | 単価(m²単位) | 工期 |
---|---|---|
10~15年 | 3500~8,000円 | 3~7日 |
【シート防水のメリット】
- 施工面積が広くなるほど安上がりとなる
- 工期が短い
- 耐久性に優れている
- トップコートが不要の場合が多い
【シート防水のデメリット】
- 複雑な形状のベランダには対応できない
- 施工中は騒音が発生する
シート防水は、平らで広い範囲の施工に向いた防水工事です。
テラスのように広いベランダや、もとからシート防水が施工されているベランダであればシート防水を検討すると良いでしょう。
3.ベランダの防水をより長持ちさせるためには?
屋外に設置されているベランダの防水層は、どれほど良質な素材を使用しても、時間の経過による劣化を避けられません。
しかし、正しい方法で定期的なメンテナンスを行うことで、防水層の劣化を最小限に抑えることが可能です。
最後に、ベランダの防水を長持ちさせるためのコツを3つ紹介します。
3-1.定期的にドレンを掃除する
ドレン(排水口)の掃除は、定期的に行うことが大切です。
ドレンに砂や泥、落ち葉や種子などのゴミや汚れが詰まった状態では、正常な排水が妨げられ汚水が溢れたり防水層が劣化したりする原因となります。
また、ドレンに溜まった砂や泥に雑草が根を張ってしまうと、ベランダのコンクリート部分にまで侵食し、外壁や建物内部に汚水が浸透する事態になりかねません。
掃除の頻度は、3ヶ月に一度が目安です。
周囲に植物が多い場合やガーデニングをしている場合は、さらに頻度を上げましょう。
3-2.定期的にトップコートを塗り替える
トップコートは、劣化が目立つ前に塗り替えることが重要です。
トップコートには紫外線などから防水層を守り、劣化を遅らせる効果が期待できます。 トップコートの塗り替えは、自分での作業も可能です。 必要な道具はホームセンターなどで購入できるため、できるだけこまめな施工を心がけましょう。
少なくとも5年に一度はトップコートを塗り替えることで、防水層の寿命を延ばすことができます。
3-3.ウッドデッキを設置する
ウッドデッキの設置で、防水層の劣化を遅らせることが可能です。
ベランダにウッドデッキを敷くことで、紫外線からの守りをより強固にし、落下物が直接床面を傷つける事態も防げます。 ただし、ひと口でウッドデッキといっても、耐久性に優れていなければかえって劣化を早める原因にもなるため、注意が必要です。
「MINO」の人工木材「彩木ウッドデッキ」であれば、高い耐久性と耐候性を誇っているため、強度が高くメンテナンスの手間も最小限で済みます。 軽量なため建物への負担も少なく、裸足で歩き回れる滑らかさや天然木のような見た目の美しさも備えているウッドデッキです。
ベランダの防水を考えている人は、MINOの彩木ウッドデッキをぜひご検討ください。
まとめ
防水工事が施されたベランダ・バルコニーの床面は、下地・防水層・トップコートの3層からなっています。
トップコートは5年、防水層は10~15年が耐用年数の目安ですが、使用される環境や使用した素材によって劣化具合が異なるため、こまめなチェックが大切です。
防水層から張り替える手間や時間を最小限に抑えたい場合は、定期的にドレンを掃除しトップコートを塗り替えると良いでしょう。
トップコートを塗った上に良質なウッドデッキを設置することで、さらに劣化を遅らせることが可能なため、ぜひウッドデッキの設置も検討してみてはいかがでしょうか。
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