臨床心理士が考えるエクステリア~自然と幸福の関係①~
こんにちは。
公認心理師・臨床心理士の飯田杏奈です。
皆さん、心の調子はいかでしょうか。
9月に入り、少し風が冷たくなり、日が沈むのも早くなりました。
木の葉は赤く色づき始めたり、うるさいくらいだったせみの声が涼しげな鈴虫の音色に変っていたり…いろいろなところで秋を感じます。
こうやって「自然」を感じてみると、気持ちがほっこりすることってありませんか。
この「自然」と私たちの幸福の関連について調べたユニークな研究(Martin et al.,2020)がイギリスで行われました。
〇「自然」と「幸福」の関係
この「自然との接触、自然とのつながり、健康、幸福、環境に配慮した行動との関連」の研究では、イギリスに住む4960人の成人を対象に調査を行い、以下のことがわかりました。
・週に1回以上、自然を訪れると、健康状態が改善する
・自然のつながりがあることは、幸福感と正の関係がある
つまり…
少なくとも週に1度自然の空間を訪れ、自然とのつながりを感じる大人は、身体的に健康になり、幸福を感じやすいのです。
健康になれて、幸せを感じることができるなんて、自然の力はすごいですよね。
さらに、この研究の興味深いところは、自然のつながりを感じている人ほど、環境保護行動に積極的に関係しているということもあわせて報告しているところです。
このことから、
自然を感じることは、心にも、身体にも、なんと地球環境にも、ポジティブな影響があることが言えます。
自然って私たちが思っているよりも、ずっとずっと多く、よい影響を与えてくれるものなのかもしれませんね。
〇自然を感じよう
ぜひ、たくさんの自然を感じたいところですが、ただ、山や川、森、海…大自然に週に1回以上も訪れることは、忙しい日々のなかでは簡単なことではありません。
そんなときは、
・ガーデニングで草や木を育ててみたり
・外に出て耳を澄ませたり、においをかいでみたり
・ベランダで風にあたってみたり
・星空を眺めたり…
など、日常にちょっとした習慣を取り入れてみてください。
都会の中でも身近な自然を感じることができますよ。
みなさんも、自分の心や身体のために、また地球環境のためにも、ぜひ週に1回「自然」を感じてみてくださいね。
きっと気持ちがほっこりするはずです。
(参考文献)
Laura Fernanda Barrera-Hernández, Mirsha Alicia Sotelo-Castillo, Sonia
Beatriz Echeverría-Castro, and César Octavio Tapia-Fonllem.
“Connectedness to Nature: Its Impact on Sustainable Behaviors and
Happiness in Children.” Frontiers in Psychology (First published:
February 26, 2020)
公認心理師・臨床心理士 飯田杏奈
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