ウッドデッキは固定しないほうがいい?地盤沈下を考慮した組立法

ウッドデッキは固定しないほうがいい?地盤沈下を考慮した組立法

この記事をシェアする

facebook Twitter line

ウッドデッキをDIYで作るとき、ウッドデッキの基礎部分をしっかり固定すべきか悩む人も多いのではないでしょうか。ウッドデッキの基礎部分には束柱と束石があり、束柱と束石を金具で固定したり、束石をモルタルで地面と固定したりするケースがあります。

束柱・束石・地面を固定することは、一見するとウッドデッキの強度や安定性が高められる方法です。しかし、実際には多くのデメリットがあるため注意しなければなりません。

そこで今回は、ウッドデッキは固定しないほうがいい理由や、ウッドデッキをDIYする際の基礎知識と注意点を紹介します。

 

1.ウッドデッキの柱・束石・地面を固定しないほうがいい理由

ウッドデッキを設置するときは、束柱・束石・地面のそれぞれを固定せず、置くだけにすることがおすすめです。以下では、束柱と束石の固定、束石と地面の固定に分けて、それぞれを固定しないほうがいい理由を解説します。

○束柱と束石の固定について

束柱と束石をしっかり固定すると、束柱が束石から浮かなくなる、ウッドデッキが風で動きにくいなどのメリットがあります。

しかし、束柱が浮くケースは、基本的に地面の地盤沈下が原因です。束柱と束石を固定して地面自体が下へと沈むと、今度は束石と地面の間に隙間ができます。つまり、地面から束石が浮き上がり、束柱にぶら下がっている状態です。重量のある束石が束柱に負荷をかけて、ウッドデッキが傾いたり、床板が反ったりする可能性があります。

地盤沈下への対応も、束柱と束石を固定していると簡単にはできません。束石の上に束柱が乗っているだけであれば、束柱が浮いている箇所の束石を横に動かして、沈んだ地面に土を入れて戻すだけで沈下分の補修が可能です。

また、ウッドデッキは重量がある設置物であり、風で動くケースはほとんどありません。束柱と束石の固定によるメリットは大きくないため、固定しないほうがおすすめです。

○束石と地面の固定について

束石と地面の固定をしないほうがいい理由も、束柱と束石の固定と同様に、地面の地盤沈下があるためです。束石と地面を固定した状態で地盤沈下が起こると、束石も地面と一緒に沈下してしまいます。

束石と地面を固定する問題点は、場所によって地盤沈下の深さが異なることです。束石と地面を固定していると、地盤沈下によって束石それぞれが異なる高さとなり、ウッドデッキがぐらついてしまいます。地盤沈下後に修正がしやすいように、束石と地面は固定しないほうがおすすめです。

 

1-1.束柱の種類

ウッドデッキの束柱には、固定式と調整式の2種類があります。

○固定式の束柱

束柱の高さが固定されている束柱です。設置時には地面の凹凸と束石の高さに合わせて、カット加工をして使用します。カット加工をした後の束柱で水平を出すことは難しく、DIYに適していません。

○調整式の束柱

束柱内部に調整用束柱が内蔵されており、高さを調整して使用する束柱です。地面や束石に合わせて高さを簡単に調整できるため、ウッドデッキの束柱と束石を固定しない場合は調整式をおすすめします。

○束柱に適した木材の種類と色・加工性

種類 加工性
ウエスタンレッドシダー 白色~褐色
サイプレス 黄褐色
ウリン 黄褐色~赤褐色
イペ 黄褐色~赤褐色
セランガンバツ 黄褐色~赤褐色
アマゾンジャラ 赤褐色
イタウバ 黄土色~茶褐色

 

1-2.束石の種類

束石は、束柱と固定しないタイプ・固定するタイプの2種類があります。

○束柱と固定しない束石

束石表面に加工がなく、束石上面にそのまま束柱を乗せるタイプです。束柱と固定しない束石には、主に下記の2種類が存在します。

  • ピンコロ
  • コンクリート平板

ピンコロとは、立方体形状の石材です。対して、コンクリート平板はコンクリート製の平らな板となっています。束石は強度が必要であり、地面に埋めて使う場合も多いため、薄すぎる束石は選ばないようにしましょう。

○束柱と固定する束石

束石に束柱を乗せて固定するタイプです。束柱と固定する束石には、下記の2種類が存在します。

  • 羽子板付き束石
  • 2×4用束石

羽子板とはビス留めできる穴があいた金具であり、束石に乗せた束柱をビスで強固に固定することが可能です。一方で、2×4用束石は、上面に2×4材が入る寸法のくぼみが付いており、2×4材をはめ込んで固定します。

 

2.DIYする際に知っておくべき「ウッドデッキの構造・部位」

ウッドデッキの構造を簡単に説明すると、設置した束柱・束石の上に部材をかけ渡して枠組みを作り、さらに上に床板を並べて固定しています。ウッドデッキの工法は「サンドイッチ工法」と「大引き工法」があり、工法によって使用する部材や組み方に違いは出るものの、基本的な構造は変わりません。

下記は、ウッドデッキをDIYする際に知っておくべき各部位の名称と特徴をまとめた表です。

束柱 束柱は、ウッドデッキの枠組みを支える短い木材であり、束材とも呼ばれます。束柱は重さを受け止める部位であるため、ウッドデッキの広さに合わせて設置する間隔・本数・位置を決めることが大切です。
束石 束石は、ウッドデッキの土台となる部位であり、基礎石とも呼ばれます。束石を設置する目的は、束柱が土中に潜らないようにすることであり、庭がコンクリートで覆われているベタ基礎などの場合は不要です。
大引き 大引きは、束柱の上に直接乗せる太く長い木材であり、大引き工法において枠組みを作る部位です。大引きは床板に対して平行になるようかけ渡します。
根太 根太は、床材を支えるための木材であり、サンドイッチ工法で枠組みを作る部位です。根太は床板に対して垂直になるようかけ渡します。
デッキ床板 デッキ床板は、ウッドデッキの床面を構成する木材です。デッキ床板に使用する木材は、人工木・天然木など多くの種類があります。
幕板 幕板は、デッキ床板の周囲を囲むように取り付ける板材です。幕板はデッキ床板と根太の接合部分を隠し、外側にある根太を補強する役割もあります。

また、デッキ床板の上部にフェンス・ラティスや手すりを設けたり、根太の下側に補足材として根がらみを付けたりするケースもあります。ウッドデッキをDIYで作る場合は、作りたいウッドデッキの構造を理解して、必要な部位・部材を用意しましょう。

 

3.ウッドデッキのDIYは「安全面」に注意が必要

ウッドデッキをDIYする場合は、電動丸のこ・インパクトドライバーなど、木材加工に適した専用工具が必要です。専用工具使用時は怪我に注意するだけではなく、木材から出る破片・粉塵にも対処しなければなりません。

DIYが不安な場合は、自分で作る以外の方法でウッドデッキを手に入れましょう。以下で紹介する2つの方法は専用工具を使わず、安全面のリスクも少ないことが特徴です。

○ウッドデッキキットを購入する

ウッドデッキキットとは、ネジ穴・取り付け穴の加工がされた木材と、取り付け金具がセットになった商品です。DIYで使用する木材より価格が高いものの、自分で作る感覚を味わいながらウッドデッキを簡単施工できます。ただし、組み立て時にドライバーやスパナを使う必要があり、安全面のリスクはゼロとは言えません。

○ウッドデッキメーカーに依頼する

ウッドデッキメーカーに依頼すると、設置場所に適した広さ・材質のウッドデッキを作ることができます。プロの作業員が施工するため、安全に高品質なウッドデッキが手に入ることがメリットです。一方で施工費用がかかるため、ウッドデッキキットを購入するよりもコストは高くなります。

ウッドデッキを手に入れる方法としては、ウッドデッキメーカーに依頼することが一番安全です。自分で作業する手間をかけずに、長く利用できるウッドデッキを設置したい人は、ウッドデッキメーカーに依頼しましょう。

 

4.彩木ウッドデッキもDIYが可能です。

まとめ

ウッドデッキを組み立てる際に束柱・束石・地面を固定すると、地盤沈下が起きたときに束石の高さ補修が難しくなります。束柱・束石・地面を固定しない組立法は、後から調整・メンテナンスがしやすいためおすすめです。

束柱・束石・地面を固定しない場合は、適切な束柱・束石を選びましょう。束柱は後から高さ調整ができる調整式を、束石にはピンコロやコンクリート平板を使用してください。

ウッドデッキのDIYでは専用工具を使用するため、安全面に注意して作業しなければなりません。安全に高品質なウッドデッキを設置したい人は、ウッドデッキメーカーに依頼することがおすすめです。

Categoryカテゴリ

全記事を見る

無料 彩木サンプルで
木のような
触り心地を体感!

資料請求 (無料)