ウッドデッキやサンルームは固定資産税の課税対象となる?
マイホームにウッドデッキの設置を行い、大切な人々と過ごす時間に憧れを持つ方は、非常に多く存在します。
しかし、ウッドデッキの設置によって固定資産税額が高くなる事態は、できる限り避けたいものです。
「ウッドデッキ部分は、固定資産税の課税対象に含まれるか」といったことに悩み、決断をためらう方もいるでしょう。
この記事では、ウッドデッキやサンルームに関する固定資産税の基礎知識をわかりやすく解説します。
戸建ての新築、もしくは改修工事に合わせ、ウッドデッキやサンルームの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.固定資産税とは
固定資産税とは、1月1日時点の固定資産の所有者が、1年に1回徴収される税金を意味します。
そもそも「固定資産」とは? |
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土地・家屋・償却資産の総称のことです。 一軒家を所有する方は、土地と家屋が固定資産税の課税対象とみなされ、税金(固定資産税)が発生します。 |
また、固定資産税は、賦課課税方式を採用する税金です。
賦課課税方式とは、資産の評価額に応じた税金額を自治体が計算し、納税通知書を送付する方法により徴収を行う仕組みを指します。
固定資産税の納税通知書は、毎年5月から6月中旬頃、固定資産の所有者の手もとに届くことが一般的です。
納税通知書が手もとに届き次第、税金額の確認を行い、自治体指定の方法で支払いを行いましょう。
基本的に固定資産税は、以下の計算式を使用して算出します。
固定資産税の税額=課税標準額×1.4%(※)
※市区町村によっては、1.4%以上の税率が課されるケースもあります。
一軒家の場合、土地の課税標準額に税率を掛けた数字・家屋の課税標準額に税率を掛けた数字の合計金額が固定資産税の税金額です。
なお、土地や家屋の課税標準額は、一軒家を所有する限り一定というわけではありません。
3年に一度、もしくは増改築を行うタイミングで再評価され、新しい課税標準額が決定されます。
1-1.建物完成後に調査が行われる
家屋の新築を行う際は、市町村の調査員による調査によって、課税標準額の決定を受けなくてはなりません。
調査員による家屋調査は、建物工事完了後、以下のうちのいずれかの方法にて行われます。
- ①必要資料を送付し、資料もしくは外観の確認によって、資材や設備の施工状況を確認する。※立ち会いは不要
- ②各種建築資料(建築確認申請書・見積書・契約書・竣工図など)を確認してもらい、内装・外装の資材や設備などの施工状況を確認する。※立ち会いが必要
①と②のいずれの方法で調査を進めるかは、あらかじめ相談を受けます。
相談を受けた際は、なるべく現場の立ち会い依頼に応じましょう。
課税標準は、建築図面や使用木材の種類などの書類を評価対象に決定されます。
現場の立ち会いを断ったことにより、適切な評価がされなければ、実情以上の税金が課されてしまう原因となってしまいます。
固定資産税の負担をなるべく軽く抑えるためには、課税標準額の適正評価を受けることが大切です。
現地調査の依頼は快く引き受け、現場の状況や建築設備の状態を確認してもらいましょう。
2.ウッドデッキやサンルームは課税対象?
では、ウッドデッキやサンルームは、課税対象に含まれるのでしょうか。
結論から言うと、設置条件によるものの、基本的には課税対象に含まれません。
ウッドデッキやサンルームが課税対象に含まれるか含まれないかは、「家屋の一部とみなされるかどうか」で決まります。
基本的に、以下3個の要件を満たすものは「家屋」とみなされ、固定資産税として課税標準額の決定が行われます。
家屋(固定資産)の3つの判断基準 | |
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外気分断性 | 雨風から建物内部を遮断するための周壁・屋根を有しているかどうか |
土地定着性 | 永続的に土地に付着(定着)しており、移動させずに利用できるかどうか |
用途性 | 目的とする用途に達成できる建物であるかどうか |
キッチンやビルトインエアコンは上記の条件を満たすことから、課税対象に該当します。
しかし、固定資産税の「家屋」に含むものの範囲は、自治体によって異なる判断を行うケースも存在します。
上記2個の条件を満たさない外構(エクステリア)も「家屋の一部」と判断されるケースが存在するため、地域の事情に精通する工事業者や自治体に対する確認がおすすめです。
また、ウッドデッキとサンルームとでは、課税対象に含まれる・含まれないケースの割合が大きく異なります。
ここからは、ウッドデッキの場合・サンルームの場合に分けて、詳しく解説します。
2-1.ウッドデッキの場合
ウッドデッキの構造によっては、固定資産税の課税対象とみなされるリスクがあります。
屋根のないウッドデッキは「家屋」の条件を満たさず、一般的には課税対象とみなされません。
屋根あり・周壁なしのウッドデッキも同様に「家屋」の条件を満たさず、固定資産税の課税対象とみなされる可能性は低いと言えます。
さらに、周壁のないウッドデッキ付きカーポート(駐車場)も同様です。
ウッドデッキ付きカーポートに周壁を設ける構造の場合を除き、課税対象に含まれる可能性は低いと言えます。
屋根あり・周壁ありのウッドデッキは「家屋」の条件を満たすため、課税対象とみなされる可能性が高いでしょう。
2-2.サンルームの場合
サンルームは屋根や柱が存在していることが多く、定着性・外気遮断性の条件を満たすことから、家屋の一部とみなされます。
そのため、固定資産税の課税対象に含まれ、税金の支払いが必要です。
新築から数年後の増改築でサンルームの設置を行う場合も、同様の扱いがされます。
サンルーム以外では、屋根と両側の壁を持つガレージが、固定資産税の計算に影響を与える要素です。
サンルームやガレージの増改築を行う際には、固定資産税額が上がる可能性が高いことを覚えておくと良いでしょう。
3.課税対象となったウッドデッキの固定資産税額
では、ウッドデッキが固定資産税の課税対象とみなされる場合、どれほどの税金が課されるのでしょうか。
ウッドデッキに対する固定資産税額の目安を知るためには、次の計算式を使用します。
ウッドデッキの固定資産税額=(ウッドデッキの工事費用×50%)×1.4%
たとえば、30万円の価格の工事を行う場合、(30万円×50%)×1.4%で2,100円が目安です。50万円の価格の工事を行う場合でも、3,500円程度の負担に留まります。
つまり、たとえウッドデッキが家屋の一部とみなされる場合も、家計を揺るがす程の負担が生じる可能性は極めて低いということです。
そのため、固定資産税の負担増加をおそれて、ウッドデッキの設置を諦める必要はありません。
4.ウッドデッキ設置時の法律的な注意点
ウッドデッキの設置に関わる法律的な注意点は、固定資産税に関することのみに留まりません。
建築基準法や民法の規定を正しく理解し、法律違反を防ぐことが大切です。
〇建築基準法
ウッドデッキが建築基準法上の「建築面積」に加算される場合、建物全体の建ぺい率が上限の範囲に納まるように調整が必要です。
1階にウッドデッキを設置する場合、屋根と左右の3方向が塞がれた設計を行うと、建築基準法上の建築面積に加算されるケースがあります。
2階以上にウッドデッキを設置する場合も3方向が塞がれた設計を行うと、建築面積に加算されて、建物全体の建ぺい率の計算に影響を与えます。
なお、ウッドデッキが建築基準法の建物に該当するかどうかの判断基準は、自治体ごとに異なります。
容積率の延床面積に含まれるかどうかについても、基本的には同様です。
自治体の担当者に問い合わせを行う・経験豊富な外構工事業者やハウスメーカーに相談し、専門家のアドバイスを聞くといった対策によって、建築基準法違反を防止しましょう。
〇民法
ウッドデッキは、民法第235条における「縁側」に該当するケースがあります。
第二百三十五条
境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
つまり、「隣の宅地から1メートル以内の場所にウッドデッキを設ける場合、フェンスなどの目隠しを要するケースが存在する」ということです。
隣の宅地の住民と事前の話し合いにより、「目隠しは不要」といった合意を獲得した場合や目隠しの設置を行わない風習の存在するエリアでは、目隠し設置義務が免除されることもあります。
増改築でウッドデッキの設置を行う場合も、基本的には同様です。
近隣住民の了承を得ることなく目隠しの設置を怠ると、法的な問題に発展するケースがあります。
不要なトラブルを避けるためにも、隣の宅地の住民に対する思いやりの心を持ち、目隠しの設置や話し合いの機会を設けることがおすすめです。
3.彩木ウッドデッキ設置の際は天然木デッキと同じ
固定資産税に関しては、MINOが展開する彩木ウッドデッキでも天然木と同じように考えなければいけません。
基本的には、屋根や壁を設けなければウッドデッキは固定資産税の対象外となります。
しかし、住まい心地の観点から日除けや目隠しなどの設置を希望されるお客様も多くおられます。「どうすれば固定資産税の対象とならず、理想に近いウッドデッキをつくることができるか?」というお客様のご要望に対するシミュレーションを、彩木ウッドデッキを展開するMINOでは行います。
まとめ
ここまで、ウッドデッキをはじめとした外構(エクステリア)の固定資産税から、ウッドデッキの設置を行う際の法律的な注意点を解説しました。
ウッドデッキが固定資産税の課税対象とみなされる場合も、高額な税金の支払いを要するわけではありません。
そのため、自分自身の理想に掲げる住まいの形やライフスタイルに沿って、ウッドデッキの設置を検討することがおすすめです。
当記事を参考に、ウッドデッキの設置を行うか・どのような設計のウッドデッキを選択するかといったさまざまな事項の判断を行ってください。
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